ドライヤーと女性

まえがき

容店経営の方、又は店舗経営のみなさんこんにちは。

前回は、厚生労働省から出ている、「理容業の実態と経営改善の方策」を中心に経営の課題や改善方法をまとめました。
また、SWOT分析を用いた分析方法をご紹介しました。

今回も他店で模範困難な強みを構築し、PRする理容店のホームページの作り方を解説します。
強みを構築し、PRすることで理容店の経営課題を克服しようというものです。

特に今回は強みを構築する為のアイデアを紹介したいと思います。

前回の結果

前回のまとめ結果のおさらいです。

--前回のまとめ結果--

理容業界全体の動向としては

  • 店舗数は年々減少、料金も年々下がっている

  • 経営課題としては

  • 客数、客単価の減少

  • 改善策としては

  • 自社コンセプトを確立、新サービスやイベントキャンペーンとその宣伝強化などで既存客、固定客の来店率を上げる
  • サービスの見直しをして客単価を下げないようにする。
  • 来店頻度によってサービスやポイントカードで顧客サービスを充実させる。
  • 予約サービスなど顧客管理(お客さんのランク分けなど)をするなど販促を効果的に行う。
  • また、SWOT分析のよる調査分析方法も行いました。
    やってみた方はそこからどうしなけら行けないのかということがうっすら見えたという方もいたかもしれません。

    このまとめ結果を踏まえて

  • 弱みを補強する
  • 自分の強みを強調する
  • 自分の強みを作る
  • この為のアイデアを出します。

    強みを構築する為の7つのアイデア

    強みを作る為のアイデアを7つほど出しました。
    アイデアはもちろんこの限りではないです。
    SWOTで分析して面白いアイデアが浮かばなかったら下記のアイデアを見て『これならできそうだ』というものがあれば試していただければと思います。

     ①大幅な割引

     ②新しいサービスの導入

     ③時間を有効に使う

     ④最高級の商品・サービス

     ⑤長期的なサービス

     ⑥他の店に真似できない独自の強み

     ⑦他業界の強みを応用

    ①大幅な割引

    50%OFF

    大幅な割引は大きな客数を呼び込む為のアイデアとなります。
    特定の日や特定の月など、普段と違う「ギャップ」が新たなお客さんを呼び込み為の起爆剤となります。

    例えば、普段のサービス価格が4,000円だとして、その日だけ3,000円にするなど普段とは違う価格での提供をすることです。

    周辺の調査で競合が実施していたのであればさらにひと工夫が必要です。

    ちなみに人間は55%OFF以上で『安い』『得だ』と感じるそうです(脳科学の見地から)。
    価格を考えたり、他のサービスと組み合わせるなどの工夫です。

    それと目的をはき違えない事です。

    安売りは儲けがでにくいので注意が必要です。目的はお客さんを呼び込む、知ってもらうためで一時的なものでなくてはなりませんね。

    <割引サービスのまとめ>

  • お店を知ってもらえる起爆剤となりえる
  • 特定月、特定日で使用する
  • 比較的実施しているところも多いので工夫が必要
  • ②新しいサービスの導入

    新生児

    減ってしまったお客さんを取り戻す為に新しいサービスの検討、導入をして、それを強みとする場合です。

    例えば、インターネットを利用した予約サービスの実施です。

    席の予約をインターネットを介して行います。

    若い世代を中心に有効です。

    また厚生労働省の調査ではインターネットを介した予約サービスの導入は2.7%でまだ少なく、チャンスがあり効果が期待できます。

    予約しているのはこの辺ではここだけだからと、希少性の為に通うお客さんもいるかもしれません。

    予約については既にお客さんから要望があったが実施できていなかったのではないでしょうか?

    知識もお金もないからとあきらめていませんか?

    実は無料で比較的簡単に予約サイトを構築できるサイトもあります。コロナ過においては予約はとでも有利です。

    私もお客さん用に構築したことがあり、現在も利用していただいています。

    構築するには多少手間がかかるというデメリットがありますが、お客さんは電話で予約よりも予約が取りやすく、店側の負担も少なく済むという大きなメリットがあります。

    また、スタッフが施術中に『予約を取りたいお客さんから電話がかかってきてしまう』のは、カット中のお客さんにとっては不快を感じるかもしれません。

    電話を使わないインターネットでの予約はそういったことから解放されるメリットもあります。

    無料予約サイト例

    ①RESERVA(レゼルバ)
    Reserva

    特徴:無料版は機能制限あります。使いやすいです。

    https://reserva.be/

    ②Coubic(クービック)
    Coubic

    特徴:無料では広告が入ります。

    https://coubic.com/

    ③yoyakul
    yoyakul

    特徴:顧客数30人又は月間予約数30件までは永久無料、機能制限なし

    https://www.yoyakul.jp/

    おすすめ

    おすすめはRESERVAです。
    個人的な感想ですが、非常に優秀、無料で使いやすかったです。

    <まとめ>

  • インターネットを利用した予約サービス
  • 若い世代をターゲットにしたい場合に特に有効
  • 無料で予約サイトを作ることもできる
  • 全国的な導入は2.7%程度とまだ少なく、効果が期待できる。
  • ③時間を有効に使う

    時間

    早く済ませたいという方や逆にマッサージサービスなどをゆっくりやってほしいと思っているお客さんもいらっしゃいます。

    早く終わらせたいお客さんへは、10分程度でできるサービスを検討するというのはどうでしょうか。

    店側は早く施術が終わるので回転を上げることができ、たくさんのお客さんの相手をすることが出来ます。

    既にフランチャイズチェーンでは行われています。

    同じ地域にあるのであれば差別化したサービスを構築する必要性がありそうです。

    ゆっくりやってほしいという要望が多い場合はそれ用のサービスコースを設定し通常より高い料金設定にして「特別感」を出してみてはいかがでしょうか。

    また、待ち時間を有効に使うことも重要です。

    待ち時間はお客さんにとっては退屈です。

    Wifiを使用した動画が見れるサービスの提供などお客さんが退屈ではなく、楽しみな時間に変換することが必要ではないでしょうか。

    <まとめ>

  • 施術そのものが早く終わるサービス
  • 時間を気にするお客さんに有効
  • 待ち時間も退屈させないサービスを検討する
  • ④高品質の商品・サービス

    高級・セレブリティ

    高級感、セレブ感などPRするアイデアです。

    例えばこういうPRの文章はどうでしょう。

    「〇〇シャンプーという商品があります。

    これは世界で年間1000個しか生産されていません。

    そのうち日本では年間100個しか入手できません。

    当店ではこの貴重なシャンプーを使用しています。

    私の店では在庫がある限り、この商品をリーズナブルな価格でご提供しています」

    こういった文章で貴重さや高級感をお客さんにアピールできます。

    特に男性は限定〇〇名様といった、「限定」という言葉に弱いです。

    期間限定など期限を設けるのも有効です。

    その時期にしかないというものに人は弱いです。

    「客単価を下げない」為のアイデアです。

    ただし、こういった限定品は通常より費用が掛かることが予想される為、1人当たりのコストが上がってしまうというデメリットもあるかもしれません。

    <まとめ>

  • 高級感・セレブ感を強みとして客単価を下げずに提供できる
  • 「期限付き」や「限定」サービスの提供
  • コストが上がる可能性がある
  • ⑤長期的なサービス

    長期

    最近は定額制サービスが流行です。

    話題作りにもなります。

    例えば床屋さんで「一か月〇〇円で何回でもカットサービスを利用できる」というものです。

    お客さん側のメリットとしては気軽に安くサービスを利用できますし、店側としては月の収入が安定して見込めます。

    来店率も上がることが予想されます。

    話題にもなるので集客が見込める可能性があります。

    お客さん側のデメリットとしては使ってみたら意外と高かった、という感想が出てくることです。

    店側のデメリットとしてそういった感想をもったお客さんも考慮した価格の付け方が難しいということと、何度も利用してくるお客さんがいるので、忙しくなることがあるということです。

    <まとめ>

  • 定額制サービスの導入をする
  • メリットとして安定収入や話題作りになる
  • デメリットとして価格の付け方が難しかったり、忙しくなる可能性がある
  • ⑥他の店に真似できない独自の強み

    オリジナル

    いわゆる先制マーケティングの実施

    どうやって他の店に真似できない独自の強みを考えていくか?
    一つ例を出すと、「ニッチ」を見つけ、実施することです。
    「ニッチ」というのは「隙間」のことです。
    大企業も誰もやったことのない「隙間」を見つけてビジネスをすればいいのです。
    いわゆる”先制マーケティング”になります。
    誰もやったことのないことを先制的に行うと、とても良いことがあります。
    それはその形態を「独占」することができます。
    後で必ず真似をする人が出てくるまでですが。
    そういったサービスを見つけ出してしまえばいいわけです。

    「ニッチ」を見つけるポイント

    必ずしも万人受けする店はできない

    これは理容業以外の他の業界のビジネス・商売においても言えることです。
    すべてのお客さんに「良い」と言ってもらえるような店は提供できないと思います。
    例えば高級感を求めるお客さんと格安サービスを求めるお客さんには大きな差があり、その両方を埋めることはできないと思います。
    (厳密に言うとできない事もないとは思いますが莫大な費用がかかったりとデメリットが大きいはずです)

    どういうことか具体的に説明します。
    これは私が経験した例です。
    とある飲食店経営者の方からホームページの制作依頼を受けた時の話です。
    ホームページの制作依頼をしてきた飲食店オーナーに「どんな方をターゲットにしていますか?」と聞きました。
    すると、「すべての人ですよ」という回答をいただきました。

    そういう店は、大概ボヤっとしています。

    一貫したコンセプトとかけ離れている為です。
    私が実際に行ってみると「ぼやけて見える」のでどこの誰からも「愛されづらい」店になっていました。
    万人受けを狙ったお店は誰にとって都合の良い店なのかわからないため、どんな人でも受け入れられるのですが、全ての人にとってどこかぼやけて見えるのです。
    どこか特定のターゲット向けの方が分かりやすく、支持されやすくなります。

    お客さんの問題や課題を解決する為にあると意識してみる

    大事なことは「髪形が決まらない」とか「おしゃれな髪形にしたい」とか「安心して任せたいけどそういう店がなかなかい」とか「リラックスして落ち着いた雰囲気で髪を切られたい」などお客さんが普段、床屋さんに思っている「困ったこと」を解決する為にある、お客さんの欲求を満足する為にある、というコンセプトから抜け出さないことです。

    その為にも普段からお客さんの「こういうことで悩んでいる」という声に耳を傾けることがとても重要です。
    お客さんからいいアイデアをもらえたりすることもありますしとても勉強になります。

    自分の店が提供できそうにないことは止める

    できそうにないことを強みとして売り出すことは止めるべきです。
    お客さんも満足しませんし、いいことばかり言っても仕方ありません。
    信用を失ったお客さんは二度と来なくなってしまうかもしれません。

    ⑦他業界の強みを応用する

    犬と猫

    アイデアがうかばないという場合、こういったことはどうでしょう。


    他業界の成功例の応用です。

    こんな強みでうまくいっているという別業種の強みをネットやニュース等通して垣間見ることが出来ます。
    それを真似たり、そのまま応用できないかということも検討すべきです。

    (例)低価格を実現 サイゼリア(インターネットで)

    安い値段でそれでいておいしい、チェーン展開しているイタリアンレストランです。
    サイゼリアでは徹底的なコストカットにより低価格で品質の高い料理を提供することに成功しています。


  • 掃除機を廃止し掃除の仕方をマニュアル化、掃除しやすい廊下の設計など徹底した。
  • そのことで生産性を2倍に上げ、時給を半分に下げることに成功
  • この他にも、様々なコスト改善のための仮説・検証を行っており、成果の上がったものを残していく方法
  • (例)健康経営で集客 レストラン×卓球の組み合わせ (とあるニュース番組で放送)

    食事をした後、卓球が出来る卓球場付きのレストランの紹介がありました。

  • 独自性があり健康志向や卓球好きの集客に成功
  • TV番組などで取り上げられ話題性がある
  • <まとめ>

  • 独自の強みは例えば「ニッチ」(隙間)を見つけることから始まる。
  • 万人受けする店はできない
  • 普段からお客さんの声によく耳を傾けること
  • アイデアが浮かばなければ他業界の強みを応用できるか考える


  • ・・・今回はここまでです。

    強みを構築する為の7つのアイデアをまとめてみました。

    具体的な理容店の成功事例は差し障るので出せませんでしたが、少しは参考になったのではないでしょうか。。。

    ご自分のお店にない強みを作る為のアイデアはこの限りではありません。

    手間や時間、お金をかけずにお客さんを呼び込むことが出来るアイデア、方法は他にもあるかもしれません。

    検討してみてはいかがでしょうか。

    さて次回は考えたアイデアをPRする方法を解説します。

    では次回お楽しみに。