前書き

レストランの料理

あけましておめでとうございます。

コロナコロナで昨年は皆さん大変な1年だったと思います。

「今年こそ良い年にしたい」

と誰でも思うものだと思いますが、

新年早々に打ち消されました。

1件の飲食店が倒産いたしました。

私のお客さんです。

それは、1/6、1都3県に緊急事態宣言が出る前日の話でした。

背景①コロナ時代でネット業界は潤っている。

ネットショッピングする女性

まずインターネット(ネットショッピング)の状況から説明します。

下記は2018年におけるeコマース(電子商取引=ネットショッピング)の日本と世界市場の関係を調べた記事からの引用です。

”2018年の世界におけるECの市場規模は313兆円でした。これは対前年比23.3%もの成長率で、2021年まで対前年比2桁成長が見込まれています。このうち、アジア太平洋地域の市場規模は全体の61%にあたる190兆円です。”

(参考:https://www.veritrans.co.jp/ VeriTrans Inc「eコマース市場はまだ伸びる!おさえておくべき今後のトレンドと課題」より)

この記事は2018年の時なので、コロナの前なのですが、ネットショッピングはコロナ感染リスクがありません。
コロナ過になってから私も某ネットショップサイトをよく利用していますし、年末か正月か忘れましたがニュースも話題になっていた、中国のAmazonことアリババはコロナでも大変成長した会社ではないでしょうか。
対面無しに商品を売ることが出来るインターネットはコロナの救世主と言える集客戦術の一つだと思います。

背景②2度目の緊急時代宣言の発令

コロナウイルスパンデミック

ここ最近は連日コロナ感染者数が過去最多になるなど、感染に歯止めが利かなくなっていました。

そして年が明けて早々の2021年1月7日、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県に出された緊急事態宣言では、飲食・バー・カラオケ店などを中心に20時以降の営業の自粛要請、そして一般の方々の不要な外出を控えるように要請されました。

自粛要請に応じた場合、飲食店などは1日当たり6万円が支給されるようですがさすがに去年から繰り返されコロナ過で既に打撃を受けている飲食店などは休業や閉店・廃業に追い込まれているケースもあり非常に辛い状況となりました。

背景③「これ以上状況が悪くなったら終わり」と覚悟した飲食店

飲食店

今回倒産に至った飲食店ですが私の地域の飲食店全般は昨年の緊急事態宣言以降、少しずつお客様が戻ってきたという状況でした。
ところがコロナは収束せず年が明け、緊急事態宣言の発令に至ります。

もうすでに1年近くコロナと戦っていて体力はとっくにありません。

要はお金がもうないのです。

「これ以上状況が悪くなったら」と既に閉店・廃業する覚悟は決められていたようです。

事件発生、そして店は倒産してしまいました。

閉店

こういった理由、背景から倒産に至ります。

「コロナ不況には勝てません、もうお店閉めます」という大変ショックなショートメールが入りました。

自分も何とかできなかったものかと悔やみ、悔し涙がでました。

今まで仕事をしてきてここまで悔しかったのは久々でした。

それはスタッフの方、店長さんはとてもお世話になったので残念でならなかったことと、何か術がなかったのかと後悔したからです。


何故この飲食店が倒産してしまったのか、その理由・原因をまとめてみました。

理由①説得しきれなかった

電話する男性

コロナ過で、普通に集客してもお客さんは入らないわけです。

感染予防をしながら、安全に集客できる方法など、この飲食店に対して私はなるべく店の負担を減らしつつも生き残りをかけた施策案を2つ3つ持っています。
それは100%成功し、集客を以前のように戻す補償はないにしろ、経費の負担も少なくて無理なくできる内容です。
ところがお客さん側は聞く耳を持ってくれないというケースがあります。

コンサルタントとして言えるのは言い方は悪いですがこちらがコントロールできない、説得に応じない場合は閉店や撤退など最悪このようなことになる可能性があるということが言えます。
基本的にこちらの話を聞いてもらえない時点でかなり厳しい状況に追い込まれる可能性があります。
また、相手の理解不足、「面倒だ」など言われ煙たがられててしまったり、経営者の方の経験や過去頑張ってきた実績から自信もあり、その自信がかえって邪魔をします。
またいくら仲良くなったつもりでいても触れられたくない個人的な事情などもあるのでいくら素晴らしい案だとしても受け入れられないことがあるので難しいところでした。

もちろんこちら側の信用度が低く、信頼関係が築けていない状態では話を聞いてくれないこともあります。
少し頭が固い方でした。そして相手の理解不足と、それをやるのは面倒だと思われた、ということが原因だったようです。

コロナ過ではいつまで続くかわからないこの状況に、長くて暗いトンネルに一人放り出されたように不安から精神的にも相当きついことだったと思います。
これ以上続けても明るい見通しが立たない、ストレスから解放されたい、こういった気持ちもあったかもしれません。

理由②店の戦略とマッチしないネット集客=コロナ過では難しい

ネット集客

私としては経営的な戦略に理解が得られない以上、店の直接的な協力がなくてもホームページ単体で集客することが最後の手でした。
その店のホームページは私が担当していたので自由に変更できる立場でした。

ですが大きな課題がありました。
例えば完全に人と接することがないレストラン(海外のニュースであった支払いや世話する人すらいない、完全非接触な無人青空レストラン)などコロナ感染リスクが100%ないような、そんな手だてでもない限り大きく宣伝したところでコロナ特融の風評被害も気にしなければならかったので非常に難しい物でした。

SNSや自身のホームページを有料広告にして純粋に「来てください」と大きく宣伝したところで「コロナなのに営業するなんてことだ」とあまり良く思っていない方もいるなかの広告というはリスクを伴うので難しく限界がありました。

実際、去年私のお客さんで別の飲食店で風評被害にあった事例があったので慎重にならざるを得ません。
結局のところコロナ過で大きく宣伝するようなことはできずにいました、これも理由だと思います。

下落したGoogle検索エンジンでのホームページの順

順位が下がった

戦略がないのでホームページに記載できる宣伝材料がなく、ホームページが更新できないでいました。
ホームページの更新頻度が低いと順位が下落します。
更新されないでいるとGoogleなどの検索エンジンで飲食店を自然検索(例えば「松戸 カラオケ店」など地名+ホットキーワード)した場合、で検索した場合に表示されるホームページの順位が10位以下まで落ち込んでいました。
10位以下になるとパソコン、スマートフォンで見た場合も1ページ目に表示されず、次のページでの表示となるためクリック数、アクセス数も落ちるわけです。

理由④お客様の声を載せていない

お客様がカウンターにいない

利用した、購入したお客様の感想など「お客様の声」を掲載するのはネット集客の基本です。
ホームページ上にサービスや商品を利用した/買ってみたお客様の感想を入れることです。
皆さんもネットショッピングをする場合、口コミ評価の内容で商品を選んだりしていませんか?
例えばネットショップサイトには星の数で満足度を載せたりできる口コミ機能がありますがこれは買う側にとっては商品を第三者の客観的な評価で判断できるので非常に重要な情報です。星の数やコメントを見て買う/買わないが判断できるからです。
ネットショップは対面販売で店員に聞くことが出来ないのでこの客観的評価に頼るわけです。

実はとある事情でお客様の声を載せることが出来なかったです。

これがネット集客がうまくいかない原因の1つだったのかもしれません。

理由⑤安売り商法の限界

50%OFF

お客さんにとって安いというのは商品やサービスを買う為の分かりやすい理由です。
潰れてしまった飲食店も20%程安く提供していたのですが、それがかえってよくなかったのです。
お客さんが戻ってくることを期待して行っていたとのですが、お客さんは戻ってこなかったのです。
一度下げてしまった20%分を上げることが出来ずに続けていたのもよくはありません。

「いくら安くても感染リスクのある飲食店には行かない」

安売りしても集客できない、というのがコロナ過の1つの答えです。

余談ですがライバルがいる場合の「安売り合戦」は体力がある方が生き残ります。

体力(=資金)に自信があって、ライバルに勝ちたいと思ったらこの方法でいいわけです。

ですが体力によほど自信がない限り安売り商法はすべきでありません。

会社経営のチェーン店は有効かもしれませんが個人経営のお店はすべきではありません。

また安いということはそれだけ商品価値が低く、「商品やサービスに自信がない」とお客様に思われるかもしれません。

客に入ってもらいたいという願望だけの安売りはコロナ過では何もお客様の心に何も響かなかったということです。

理由⑥経済的体力の限界

ランニングする女性

実は緊急事態宣言の前日に全く別の飲食店にいました。
2時間ほど長居しましたがお客は私以外にいませんし入店することもありませんでした。

暇そうなので店員さんにいろいろ話させていただきました。
店員さん曰く、

「最近はほとんどお客さんが入っていない」
「入っても1日5、6組と本当に少ない」
「赤字だが、この店で働くスタッフの為に店長が無理やり開けている」

ということです。

要はお客さんは入らなくて赤字だが経営者が店員の生活の為に温情で開けている。
「身を削ってスタッフを守っている」
こういう店でした。

赤字もいつまで続けられるのか。

それは経営者の体力次第、そんな店もあるのです。

もちろん政府から、時短や自粛に対して協力金が出ます。

倒産すると判断した当時は1日4万円(1/11まで)、(今は6万円)でした。

飲食店は駅前など立地条件がよいために家賃が高いなど、協力金でたくさんもらえたとしても経費の一部にしからならないという店もあります。

時短営業をしても売り上げは上がりません。

そしてもうすでに1年近くコロナと戦っていて体力はとっくにありません。

初めのうちは「すぐに収まる」と思っていても最初の感染者が確認されてからもう1年ほど経ちます。

体力のない店から順番につぶれていくしかないのです。


では、どうすべきだったのでしょうか?
どうすれば潰れなかったのか。

ポイント①店が安全であること

消毒

コロナ過である飲食店のスタッフの方がこんなことを言っていました。

「自分もいつ感染するかわからない」

このように不安に思っているようなコロナ対策では話にならないわけです。

まず自分が働く店・会社が感染リスクを最大に抑えられるような環境を作ることが大事です。
クラスターなどが発生しては元も子もありません。

徹底した対策が必要ですし、その分自信をもって接客できます。

コロナウイルスについては専門家ではないですが安心してお店に来ていただくためにできること、こうすべきだというを専門家(医師)からアドバイスを聞いておりますのでまとめました。

・店舗スタッフへ定期的に抗原、抗体検査を実施
 これは安くて手軽な唾液型PCR検査は制度が悪い、鼻腔型PCR検査は擬陽性が出る可能性がある為です。

・新型コロナウイルスの陰性証明書の入手とホームページやSNS、張り紙などでアピールする
 上記の実施により数千円~で病院で発行してくれるところもあります。
 デジカメで撮って掲載するなどのアピールは、風評被害を防ぐことにも役立ちます。

・新型コロナウイルスにも対応している遠赤外線タイプの空間除菌装置の設置
 今はわかりませんが昨年は申請すれば援助金が下りました。1台5万円程度とのことです。

・雑誌・パンフレットなどの撤去、シューズカバー(ビニールタイプ)装着義務化
 靴(靴底)や人(手)に付着する場合を想定し、人手に触れるものを排除します。

・人同士の接触を避ける
 無人で予約できる予約システムの導入でオンライン化、無人化することで人が集まりやすい環境を排除する。
 店ではありませんが例えばお祭りなどのイベント等ではGPSを利用した人数把握やQRコードを読ませることによって参加人数を把握するシステム、オンラインで購入可能なチケット購入制にする
等をすることによって感染対策を取れるシステムが存在します。
 無人化、オンライン化できるシステムを利用することで人同士の接触は避けられます。

ポイント②事前の風評被害対策

SNSの写真

まずクラスターが発生しそうな環境は風評被害の元となりかねません。
しっかりと感染予防対策をし、風評被害が出ないような対策を事前に徹底する必要があります。
それでも風評被害があったら逆SEO対策などがあります。

例えばですが「この店はコロナ対策がいまいちだな」と思ったお客さんの中には、店の存在自体良く思わない方がいます。
そういう方が情報をスマホのカメラで撮って拡散性、共有性に優れたSNSなどによって一気に広がる、なんてことがありました。

ネット上の風評被害は口コミなどネット上であらぬウワサがSNSなどで広がり、風評被害につながったケースがニュースで話題となりました。
SNSでは「良かれ」と思った内容がウワサが広がっているうちに変化し、気づけば店の存在が危ぶまれるような、事実無根のあり得ない内容になってあっという間に広がります。
私の飲食店のお客様でもネット上ではないですが風評被害があり、店として大きな被害を受けました。
これにはスタッフ全員のPCR検査とその公表などによって信頼を回復し回避することができました。

 

逆SEO対策ではネット上においては優良なコメント、評価を上げているサイトを新たに作成したり、
上位化させることによって風評被害の元となった口コミ、サイト等の順位を下げさせるようなやり方もあります。

こういった対策は対策が遅れたり、初動を間違ったりするとあっという間に広がり取り返しがつかなかったりもします。
たいへんな労力と費用がかかるのと、口コミを書いた本人が特定できない場合がほとんどです。
なるべく風評被害が出ないようなスキのない対策を徹底しておくなど事前予防が大事です。

ポイント③コロナ時代に合ったネット集客と分析と戦略

マーケティング

良くも悪くもSNSなど拡散性に優れたネット集客は飲食店にとっては”もろ刃の剣”かもしれません。
インスタ映えする商品メニュー以外のものも持っていたスマホのカメラでたまたま一緒に撮られ、SNSで拡散するというのが日常です。
インスタ映えするデザートなどのメニューは「いいね」を押してもらえていい宣伝になりますが、そこにたまたま映っていた掃除していない汚い部分がクローズアップされたりします。
立ち振る舞いは本当に難しい、そういう時代になりました。
ですが人との接触を避けて商品が購入できるネットショッピングなどはコロナで成長を続けています。
要は使い方の問題です。

コロナ過では何がトレンドで生き残る為の状況分析と戦略が必要になってきます。
頭を整理してみましょう。
何が流行りで何がやってはいけないことか、何が得意で何が不得意か、何が売れそうかを明確化すべきです。
ノートにたくさん書いて分析してやるべきことを見つけられると思います。
(情報収集の方法、分析方法については割愛します)

 

最近のコロナ関連情報

  • 飲食店テイクアウト(出前館、UberEatsなど)進出
  • テイクアウト、宅飲み、お菓子作り、小麦、パスタ等自宅消費関連が増えた。
  • 日焼け止め等アウトドア商品の消費が減った。
  • コロナ過でリモート勤務者が増え、感染リスク回避からネット利用者は増えている。
  • 安心・安全を求めるお客様のニーズがある。
  • 〇〇教室が流行っている
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  • まとめ

    ケーキ写真

    2019年新型コロナウイルスの感染拡大以降飲食店は本当に生き残るのが厳しい時代となりました。
    近所でも昨年クラスターが発生しました。
    緊急事態宣言も発令し、人の心はピリピリしています。

    飲食店のサービスはテイクアウトなど対面接触が減り、無人化、オンライン化でお客様の気持ちを汲むことが難しくなりました。
    ですが人の心を動かし、感動させる方法はコロナ前と同じですし、コロナ過ならではのニーズやウォンツを見つけることが大事です。
    その為には小さな飲食店であっても自分の経験や勘だけに頼らず、今の状況を把握し、情報を集めて分析し戦略を立てることが生き残る為の必須課題となる気がします。